老人性難聴の症状と原因
高齢になると「最近、耳が遠くなった」と感じる人が増えて来ます。
このような加齢に伴う聴覚機能の衰えによる難聴を「老人性難聴」と言っていますが、65歳以上の高齢者の4人に1人が悩まされています。
また、老人性難聴の多くは耳鳴りを伴っています。
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老人性難聴の具体的な症状
老人性難聴の症状には、個人差がありますが、多くは両耳に発生し、加齢とともに進行します。
初期には難聴の自覚はあまりなく、耳鳴りだけを感じるという場合も多くなっていますが、小さな音や遠くの音が聞こえにくくなって来ます。
特に高音域やカ行の音、サ行の音が聞こえにくくなります。
徐々に中音域、低音域の音が聞き取りにくくなり、会話にも不便を感じるようになります。
また、老人性難聴の場合は、音が聞こえにくくなると同時に、音が聞こえても何を言っているかわからないという聞き取り能力が低下するという特徴があります。
小さな音が聞こえない反面、少し大きな音に対してはうるさいと感じる「リクルートメント現象」も老人性難聴の特徴となっています。
さらに、難聴の進行とともに、耳鳴りも悪化してしまうケースが多くなっています。
老人性難聴の原因は?
老人性難聴の原因は、聴覚機能全体の老化現象であるため、一般に左右の聴力が同じ程度に低下します。
内耳の中には、音の大きさや高低を感じ取って神経に伝える役目の感覚毛がありますが、加齢とともにこの感覚毛の数は徐々に減少します。
内耳神経や脳の聴覚神経の細胞の数も減少するほか、内耳から脳へ音を伝える神経経路や中枢神経系に障害が現れたり、脳への血液循環も衰え、全体的な聴神経能力も低下します。
高血圧や高脂血症、糖尿病などの生活習慣病があると、内耳の血流がさらに悪化し、聴覚機能に影響を与えます。
老人性難聴は、このようないくつかの原因が複数組み合わさって発生すると考えられていますが、慢性の中耳炎を患っていると、より進行しやすくなります。
※老人性難聴と間違われやすいものに、「耳垢栓塞」があります。
外耳道が耳垢で塞がっているために音が聞こえにくくなっているもので、耳垢を取り除けば難聴も改善します。
特に耳垢の柔らかい人は、注意が必要です。
心配な方は、耳鼻科などを受診して検査してみることをおすすめします。
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