子供に多いストレス性難聴
子供が「耳が聴こえない」と訴えることがありますが、それはストレスが原因の「ストレス性難聴」かもしれません。
小学校や中学校で過酷なストレスにさらされる子供に増えているとされるストレス性難聴は、耳の機能が原因ではなく心理的なものなので「心因性難聴」とも言われます。
ストレス性難聴とは?
学校の聴力検査で発見されることの多いストレス性難聴は、8歳から14歳くらいの子供に多いとされています。
両側の耳に同時に現れますが、耳の機能に異常はなく、音の刺激がきちんと聴覚神経に達しているにもかかわらず、脳では「聴こえない」と判断してしまいます。
このような子供のストレス性難聴は、学校におけるいじめや教師とのトラブル、家庭内不和、虐待など、孤独感や喪失感、心身の疲労などによる極度な心理的ストレスが引き金になると考えられています。
過酷なストレスから逃避するために難聴が発生しますが、日常会話に影響することは少ないため、本人が気づいていないケースも多いという特徴があります。
しかし、子供のストレス性難聴を放っておくと、補聴器が必要になるほど悪化してしまうこともあるため、早急な対策が必要です。
子供の難聴に気づいたら
「耳が聴こえない」という子供の訴えや、学校での聴力検査で異常が発見されたら、それを放置しないことが大切です。
まずは、耳アカの詰まりや突発性難聴などの器質性障害がないことを確認するためにも、耳鼻科を受診して耳の検査を受けましょう。
耳の機能に異常がないことがわかったら、子供の環境を見直してみてください。
学校でのいじめがないかどうか、友達や教師との関係はどうかなど、本人と話をしたり担任の先生に相談してみましょう。
また、家庭内の環境を見直して子供にストレスを与えてないかどうかを確認することも大切です。
過酷な環境を改善し、子供の心理的負担を軽くすることにより、ストレス性難聴も快方に向かいます。
家庭や学校での対応だけでは難しい場合は、耳鼻科で定期的に聴力検査を受けながら心療内科医・心理療法士などのカウンセリングを受けるという方法もあります。