喪失感と高齢者のうつ病
高齢者は何らかの「喪失感」を抱えており、それがうつ病発症の引き金になることがよくあります。
1日中、暗い表情でボーっとしていたり、食欲がなかったり、悲観的なことばかりを言うような場合は、老人性うつ病の前駆症状として、家族が気づいてあげる必要があります。
高齢者が抱える喪失感とは?
- 家族や親族、友人との別れ
高齢になると自分の家族や親族、親しい友人との永遠の別れを経験せざるを得なくなります。
それが大きな喪失感につながり、時には生きていくことさえつらくなります。
そのつらさから何ヶ月も抜け出すことができなくなり、うつ病へとつながるケースがあります。
- 健康への不安
体力が弱くなり、慢性的な病気を抱えることも多くなります。
このような健康に対する喪失感から、生きる意欲を失ってしまい、うつ病を発症することがあります。
特に痛みを伴うような病気や治る可能性の少ない病気の場合は、要注意です。
- 収入の激減
元気で働けるうちは良いのですが、徐々に体力も弱くなり働けなくなると年金以外の収入は途絶えてしまいます。
収入がなくなるといった喪失感は、経済的な不安にもつながり、それがきっかけでうつ病へと到ることがあります。
- 社会からの疎外感
仕事も辞め、社会とのつながりが希薄になると「自分はもう世の中から必要とされていない」といった疎外感を持つようになり、家や自室に閉じこもりがちになります。
このような状態が長く続き、うつ病へとつながることがあります。
高齢者をうつ病から守るために
高齢者が抱えている疎外感は、家族が考えている以上に深刻です。
老人性うつ病が発症する前に、高齢者の疎外感に気づき、適切な対処をして行く必要があります。
日々の表情や仕草、食欲などをそれとなく観察し、家族で強力して疎外感を和らげるようにしましょう。
明るい話題を作って話しかけたり、一緒に外出をして気分転換を促したり、あるいは家族の重要な一員として、できる範囲で責任を持ってもらうといった工夫も良いでしょう。
それでも、いつまでも疎外感から抜け出せず、老人性うつ病が疑われるときは不用意に励ましたりせず、専門医に診てもらうようにしましょう。
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