点頭てんかんの症状と原因

点頭とは、うなずくという意味ですが、赤ちゃんが急に首をカクン、カクンと前に倒したり、寝ている時に体を急に折り曲げる動作を繰り返す場合、「点頭てんかん」の可能性があります。

点頭てんかんは、3000人に1人の割合で、生後3カ月~1歳ころの赤ちゃんに発症しやすいてんかんです。
しかし、点頭てんかんは良性のものが多く、発作の回数は成長とともに減少し、2~3歳以降には自然消失するケースが多くなっています。


点頭てんかんの症状

点頭てんかんは、1841年にウエストという医師が自分の息子の病状と経過を報告したのが最初であったため、「ウエスト症候群」とも呼ばれます。
点頭てんかんは、次のような特徴的な症状を示します。

  • 急におじぎをするように首を前にカクン、カクンと倒す
  • 寝ている時に、瞬間的に両手両足をあげる動作を何度も繰り返す
  • 寝ている時に、体を急に折り曲げる動作を繰り返す
  • 口をモグモグさせる
  • 体をのけぞって、両手で何かに抱きつくようなしぐさをする
  • 今まで笑っていた赤ちゃんが笑わなくなったり、お座りをしなくなるなどの精神運動発達の退行が見られる

点頭てんかんは、上記のような全身性「ミオクロニー発作」が特徴ですが、それぞれの発作は瞬間的に起きたり、数秒から十数秒間隔で何度も繰り返すことがあります。

また、1日のうちでも眠くなった時や、寝て起きた時に起こりやすいのも点頭てんかんの発作の特徴と言えます。このような発作に気づいたら早めに専門医の診察を受けるようにしましょう。

ミオクロニー発作とは?
体の一部分が一瞬ピクッと収縮する発作を「ミオクローヌス」と言いますが、このミオクローヌスがてんかん発作の症状として現れた場合に「ミオクロニー発作」と言っています。
自覚できないほど軽いものから、連続して起こったり、全身に起こり転倒してしまうこともあります。
光やある種の模様によって誘発されやすく、寝起きや寝入りに起こりやすい傾向があります。
このようなミオクロニー発作は、一般に年齢とともに発作の頻度が減少して行きます。


点頭てんかんの原因

点頭てんかんは、背景に脳疾患の可能性が考えられる「症候性」のものと、原因が特定できない「特発性(潜因性)」のものに分けられます。
症候性の点頭てんかんの原因には、出生前、出生時のトラブル、出生後に分けることができます。

  • 出生前
    脳形成異常症、結節性硬化症、脳奇形、胎内感染症、染色体異常症、先天代謝異常症など
  • 出生時のトラブル
    新生児重度仮死による脳障害、頭蓋内出血など
  • 出生後
    脳炎、髄膜炎などの感染症や頭蓋内出血など

出生後は正常に発育し、突然発症する特発性(潜因性)の点頭てんかんは、脳波以外の異常は認められず、原因は不明ですが、一般に症候性の点頭てんかんに比べ予後は良いと考えられています。


点頭てんかんが疑われたら

点頭てんかんが疑われたら、発作がおさまってから病院に連れて行きましょう。
病院では、脳波検査、CT検査、 MRI検査などを行い、発作が起こる原因を調べます。

点頭てんかんであることがわかれば、抗てんかん薬(バルプロ酸ナトリウム、ゾニサミド、ニトラゼパム、クロナゼパム)、ビタミンB6の大量投与による治療が開始されますが、有効でない場合は副腎皮質刺激ホルモンの極少量を筋肉注射する「ACTH療法」が行われることもあります。

多くの点頭てんかんの発作そのものは、2~3歳以降に自然消失しますが、精神運動発達障害を残したり後にレンノックス・ガストー症候群へ移行することがあるため、早期診断と早期治療開始が重要です。

また、点頭てんかん発症までは正常の発達が見られていた「特発性(潜因性)」の点頭てんかんでは、早期に治療を開始することにより良好な予後が期待できます。



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