てんかんの検査と治療法
てんかんであるかどうかは、脳波検査と問診によって診断が行われます。
また、てんかんの治療法は薬物療法が主体になりますが、薬物による改善が見られない難治性てんかんに対しては、外科治療が行われることもあります。
てんかんの検査
てんかんの検査で欠かせないのが脳波検査です。頭部にいくつかの電極をつけ、てんかん特有の異常波が出ていないかどうかを調べるもので、痛みなどはまったくなく、寝ているだけで終わります。
通常は、覚醒時と睡眠時の脳波の記録をそれぞれ20分程度行い、50分前後で終了します。てんかん波は、睡眠時に出現することが多いため、睡眠時の脳波検査を行いますが、通常は検査前日の睡眠時間を少なくしておいて眠れる状態にして検査を行います。
しかし、じっとしていられなかったり、どうしても眠れない場合は、軽い睡眠導眠剤を使用することもあります。
また、難治性てんかんが疑われる場合は、脳の内部を撮影するCTやMRIなどを行ったり、低カルシウム血症の有無や抗けいれん薬の副作用を調べるために尿検査を行うこともあります。
てんかんの治療法
- 薬物治療
てんかんの治療は、「抗てんかん薬」を使用した薬物治療を中心に行われます。
抗てんかん薬は、脳の神経細胞の異常興奮を抑えるとともに、興奮がほかの神経細胞に伝わって行かないようにすることにより、てんかんの発作を抑える薬です。
薬が効き過ぎると正常な神経細胞の働きまで抑制してしまい、眠気やだるさなどの症状が出るため、年齢、性別、体重により薬の適量が決められます。
日本では、現在10種類以上の抗けいれん薬が存在しますが、どの薬を選択するかは医師の判断に任されています。
多くの場合、1種類の薬で治療が行われますが、1種類で効果的に発作を抑えられない場合は、2種類以上の薬を使用することもあります。
また、最初の薬で副作用が出る場合は、ほかの薬に変えることもあります。
子供の場合、薬物治療が効果をあげ発作のない期間が2~3年続けば、3ヶ月~6ヶ月かけて少しずつ薬の量を減らして行き、最後に服薬を中止します。
服薬を中止した後も発作がなければ、てんかんは治癒したと判断されます。
- 外科治療
薬物療法で発作が抑えられない難治性てんかんに対しては、手術による外科治療が有効な場合があります。
特にてんかん発作を起こす部分が限られている側頭葉てんかんなどは、その部分を切除しても障害が残る可能性は低く、手術による治癒効果は高くなっています。
また、発作を起こす部分が広範囲に及んだり、切除できない場所にある場合は、異常信号の拡がりを防ぐ遮断術が行われることもあります。
子供のてんかん発作を放っておくと心身の発達への影響が大きくなるため、早めに専門医に相談しましょう。