自閉症の症状と子供への対処法

発達障害のひとつである自閉症の子供は、約1,000人に1~2人の割合で生まれると言われ、めずらしい病気ではありません。
原因は明らかになっていませんが、先天的に何らかの脳障害を持っていたり、いくつかの遺伝的因子が関与していると言われています。

自閉症の症状

自閉症は、他の子と一緒に遊ぶことが苦手という「社会性の障害」や、自分の意志を相手に伝えることができないという、「コミュニケーションの障害」、同じ行動を何度も繰り返すという「興味や行動の偏り」が特徴としてあげられますが、具体的には次のような症状が見られます。

  • 表情が不自然で、親とも目をあわせない。(3歳前後から)
  • あまり人見知りをしない。
  • 甘える様子を見せない。
  • 呼びかけに応じない。
  • 言葉の遅れ。ちぐはぐな言葉の使い方。
  • クレーン現象(自分の欲しいものがあると言葉で伝えず、相手の腕をそこまで持っていくという動作)
  • 周囲の同世代の子に無関心。一緒に遊ぼうとしない。
  • 単調な繰り返しのある行動を好む。
  • 自分の決まったやり方が中断されたり、じゃまされたりすると、かんしゃくを起こしたり、パニックに陥る。
  • 暗記能力に優れているが、文章問題は苦手。
  • 相手の気持ちを推し量ることができない。

自閉症の子供への対処法

自閉症の根治的な治療法はありませんが、成長や発育の段階に応じた対処法が必要となります。そのためには、家族や周囲の理解と協力が必要不可欠です。

  • 乳児期・・・スキンシップを大切にする
    乳幼児期は、おとなしく手がかからないという子が多いですが、歩き始めるようになると勝手に動き回るようになったり、呼びかけに応じなかったり、言葉の遅れが目立つようになります。
    この時期は、両親や家族のほうから話しかけたり、視線を合わせるようにしたりと、スキンシップを大切にし、安心感を持たせましょう。
  • 幼児期・・・がまんする力をつける
    幼稚園や保育園での集団生活が始まると、環境の変化になかなかなじめない自閉症の子供の場合、ちょっとした刺激にも敏感になり、パニックを起こしやすくなります。
    コミュニケーション力も不足しているため、孤立しやすくなったり、他の子とのトラブルが増えたりします。
    この時期は、少しずつがまんする力をつけさせましょう。
    叱ってばかりいるのではなく、できたことは褒め、自信をつけさせることも大切です。
  • 学童期・・・社会性を身につけさせる
    社会性の障害を持つ自閉症児にも、他人とかかわりたいという気持ちが芽生えてきます。
    しかし、適切なかかわり方がわからず、他者に対して被害的な感情を持ってしまったり、仲間はずれになっていじめのターゲットになってしまうこともあるため、最も注意が必要な時期です。
    少しずつ、社会のルールを身につけさせ、必要以上に被害的にならないようにサポートしましょう。
    また、学習面の障害が現れる時期でもあるので、教育面でのサポートも必要です。
  • 思春期~青年期・・・自我の確立と自立の援助
    思春期には、大人への反抗心が高まり、情緒が不安定になります。
    一般の思春期と同じように、家庭では少しずつ母子分離へと舵を切り、自分の存在に自信を持たせ、自我の確立と自立を促しましょう。
    この時期はパニックも目立つようになり、大きな葛藤や思いがけないトラブルも起こりがちですが、家族で協力して乗り切りましょう。
    この時期を無事、乗り切ることができれば、一人前の大人として自立して生活して行くことも可能になります。



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