新生児のヘルペス感染に注意

生まれてから2~7日くらいの間に発症する新生児ヘルペスは、ミルクや母乳を飲む量が少なくなったり、元気がなくなったり、微熱が出たりという症状が出ますが、通常の細菌感染と間違いやすいため、注意が必要です。

新生児ヘルペスの症状

新生児ヘルペスは、赤ちゃんがヘルペスウイルスに感染して発症するもので、無治療の場合の死亡率が高くなっています。
最近は抗ウィルス剤の開発により、救命できるケースが多くなってきていますが、赤ちゃんの様子を良く観察し、次のような症状が見られたら、早めに小児科を受診してください。
新生児ヘルペスの症状は、ウィルスが増殖する場所により、全身型、中枢神経型、皮膚型(表在型)の3つに分類されます。

  • 全身型の新生児ヘルペスの症状
    全身型は、ヘルペスウィルスが全身に広がるもので、新生児ヘルペスの半分以上を占めます。
    出生後2~7日で発症することが多く、哺乳力低下、発熱(低体温の場合もあります)、活動力低下などの症状が見られます。無呼吸や黄疸が見られることもあります。
    全身型の場合、必ずしもヘルペスの特徴である水泡が見られるわけではないので、注意してください。
  • 中枢神経型の新生児ヘルペスの症状
    全身型に比べ発病が遅く、活動性の低下や微熱、けいれんなどの症状が現れます。全身型と同様に必ずしも水泡が見られるわけではありません。中枢神経型では脳症などの後遺症を残すことがあります。
  • 皮膚型(表在型)の新生児ヘルペスの症状
    皮膚や口、目などに紅斑を伴なう水疱が見られるのが特徴で、予後は良好です。この皮膚型は、新生児ヘルペスのうちの2割程度と言われます。

新生児ヘルペスの原因

生まれたばかりの赤ちゃんを危険にさらさないためにも、新生児ヘルペスの原因を知り、予防しておくことが大切です。
新生児ヘルペスの感染ルートは、次の3つが考えられています。

  • 胎内感染
    お母さんがヘルペスウィルスに感染した場合、子宮の中にいる赤ちゃんも感染する場合で、これを「胎内感染」または「胎児感染」と呼んでいます。発生頻度は、あまり多くはありません。
  • 産道感染
    生まれるときに、産道で感染するもので、新生児ヘルペスの原因としてこのケースが一番多くなっています。お母さんが初感染だった場合、赤ちゃんへの感染率もさらに高くなります。
  • 出生後の感染
    生まれた後に、ヘルペスに感染しているお母さんやお父さん、医療従事者、お見舞いにきてくれた人などから感染する場合があります。

新生児ヘルペスの治療

新生児ヘルペスの感染が明らかな場合は、ただちに抗ウィルス薬を投与して治療を開始します。
また、お母さんがヘルペスに感染していることがわかっている場合は、帝王切開による出産を行い、母子感染を予防します。

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